クリーニングの料金の違いって何?

クリーニングされた白シャツ

こんにちは!
本日はDMで洗濯のご相談やお問い合わせを頂くなかで、定期的に頂く質問のひとつ、「クリーニングの料金の違いは何?」にお応えしていきたいと思います。

なんで料金が違うの??

いろんなお店によって、それぞれ違うクリーニング料金。

「これって一体何が違うの?」

疑問に思う方も多いはず。
今回は「なぜ料金が違うのか?」を解説していきたいと思います。

まずは大前提にクリーニング屋さんを運営していくためには、もちろんお金も掛かります。

そして当然ながら赤字では続けることができないので、まずは「掛かる費用」から分解してみたいと思います。
大きく分けてクリーニング屋さんで掛かる費用は5つ。

  1. 「人件費」→洗いあがるまでにかかる人の数
  2. 「家賃」→お店を営業するための場所代
  3. 「機械設備費」→業務用の大きな洗濯機や自動仕上げロボット
  4. 「資材費」→洗うための洗剤や包装用のビニールなど
  5. 「広告費」→お店を知ってもらうための広告やセールなどの割引

大きく分けて大別するとこの5つがクリーニング屋さんを運営するにはかかります。いわゆるお客様にとって「安く」クリーニング料金を提供しようと思うとどうしたら良いでしょうか??

まず最も費用としてかかるのは「人件費」と呼ばれる人の手です。人の手が掛かればかかるほど、価格を安くするのは難しくなってきます。クリーニング店においては人件費の割合が非常に多いです。

これはお客様がお持ちいただく洋服が「1点1点別物である」ということに起因しています。なかなかすべてを機械化するには非常に難しい業界とも言えます。

もちろん機械化できる部分もありますので、クリーニング料金を安く提供したいクリーニング事業者は「機械設備費」に投資して大きな洗濯機や仕上げロボットを入れて自動化することによって「人件費」を抑えます。

しかしこれだけで「安く」できるわけではありません。

洋服をまとめて洗うことでコストが下がる

今度は先程購入した『大きな洗濯機』を洋服満タンで一緒に洗う必要があります。

それは、「機械で自動化」すると機械で洋服1点洗うのに掛かる時間と、洋服10点を洗う時間や手間はさほど変わらないからです。次の1手として必要になるのが、

「たくさん洋服をクリーニングする環境を整える」ということになります。

ざっくりとお話するとクリーニングの受付窓口となる店舗を作るために新店舗の初期費用と継続的に運営する「家賃」が必要ということになります。

もちろん継続的にやっていくのにはランニングコストとなる「家賃」の他にも、お店を知っていただくための「広告費」を使って、セールを行ったり、ポスティングしたり、HPに投資したりもします。

ここまで進めれば事業としてのたくさんクリーニングをする洋服を洗う環境を整え、それを生産する設備で「仕組み化」として「クリーニングを低価格で提供する」ということの実現が見えてきます。

洋服を洗ったあとの「アイロン掛け」も1人が色んな仕事(仕上げ)をするわけだはなく、ただひたすらに『セーター担当』みたいなことができるので作業効率も良くなっていきます。

その結果、「一度に短時間でたくさんのものを洗える」からお安くできます。

相場のクリーニング屋さんより高いお店は?

次に他のお店より、いわゆる高価格なクリーニング屋さんを見てみましょう。
ここを整理すると価格の違いが見えてきます。

それではさっきの比較して価格が通常のクリーニングより高めのお店は、
「最新の機械がない古いだけなのか?」というとそういうわけではありません

この「機械化」で他の業界と違うのが『不定期』に『色んな種類』の洋服を洗うのがクリーニング屋さんの使命でもあります。

全てが「同じスーツ」で、全てが「同じ汚れ」なら機械化しても簡単なのですが、クリーニングには『全然違う種類』の『全然違う汚れ』の洋服がクリーニング工場に入ってきます。

すべてを「一辺倒な洗い方」で片付けるのは難しいのがクリーニングなんですね。

全てをある程度のバランスにしようと思うと、どこかで「バランスを取る」必要が出てくるんです。ましてや大きな規模になるとパートさんやスタッフさんにしていただく「仕組み化」なので余計にバランスが重要となります。
汚れはここまでと線を引いたり、仕上げはこのまでと線を引いたり。そこでジレンマとして

「洋服を綺麗にしたいから始めたのにここまでと手を打たなければならない」

という壁にぶち当たります。

よって金額が高めのクリーニング屋さんは、汚れの状態や洋服の性質を見て、それぞれの洗い方を行う(=人の手と手間がかかる)=金額が高くなります。

※価格が高いお店すべてのクリーニング屋さんが良いというわけではありませんのでご了承いただけると幸いです!

「人」の熟練度

もう一つ、大きなポイントがあります。
それは「人」の熟練度。

①システム化して組織で、低価格かつスピーディーなクリーニング屋さん
②それぞれの洋服、それぞれの汚れに合わせて適切な処置を施す、こだわりのクリーニング屋さん。

①は組織で事業として行うため、どうしても新人さんや色んな方が仕上げを行う場面があります。また「セーター担当の仕上げの人」のような場面があるため、全体の工程や洗いや洗剤の知識が乏しかったり、受付を行った方は別の方なので受付をした時の要望などがどうしても薄まってしまう場合があります。

カシミヤのセーターやニット

①と比較して②は受付〜洗い〜仕上げまで一連の流れで全て同じ方が行うだけでなく、この道20年〜みたいなベテランが最前線で作業を行います。当然、一つひとつの仕事の熟練度は高くなりますし、汚れ落ちや仕上がりにも影響してくるのですが②の人の人件費は経験値などからも高くなるのです。

あなたに合うクリーニング屋さん探し

今回ご紹介したこの2例は極端な例で、実際にはこれのグラデーションで色んなクリーニング屋さんがあります。規模が大きくても良い仕事をしようと努力されていることもありますし、小さい規模でも微妙なところももちろんあります笑。

高ければ良いというわけでもありませんし、安く提供するためにも様々なリスクを取ってきた功績とも言えます。

良い悪いということではなく、普段自分が着ている洋服を

「何のためにクリーニングしたいのか?」

をよく考えて、それぞれ特徴や違いがあるので皆様の選ぶ基準やご自身のライフスタイルに合ったものをお選びいただく参考になればと思います!
長々とありがとうございました😊

Bubbleman STORE(バブルマンストア)

福岡県久留米市大石町32ー102
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ABOUTこの記事をかいた人

45年続くクリーニング卸売業の3代目。お客様であるプロのクリーニング屋さんに繊維や仕上げ方などを教わりながら、現在では洗浄技術などをプロのクリーニング店に提案するように。 より多くの方に身近な洗濯や洗剤、せっけんのことを知って暮らしを楽しんで欲しいとの想いから福岡に2017年からスタートした洗剤専門BUBBLEMAN STOREは、2022年に移転を機にブランドのフラッグシップショップ「Laundry shop MATINA(マティーナ)をオープン。 「洗い方」を伝えるランドリーブランド「MATINA(マティーナ)」はアパレルショップ、雑貨屋さんなどを中心に全国65店舗展開中。 アパレルショップの素材や洋服に合わせたメンテナンスの監修や、企業様に合わせたオリジナル洗濯洗剤の開発も行なっている。 販売店様では洗濯教室などの体験型のワークショップだったり直営店では毎週金曜日に手作り無添加石鹸教室なども行っています。