洗濯とは切っても切り離せない環境負荷とお水の話

今日はちょっとだけ真面目なお話です。

昨今叫ばれるSDGsやサスティナブルについて洗濯や洗剤の角度から、なるべく分かりやすく分解して考えてみましょう♪

今回考えたいのは『水の貴重性』×『洗濯』です!

洗濯とは切っても切り離すことのできない「お水」の話。私たちの住む日本は水が潤沢にある国の一つですから、蛇口を捻れば安全で安心なお水がすぐ出てきます。

でも将来はどうでしょうか??

世界的に見れば人口が増え、さらに経済が発展し、どんどん水資源がなくなっていくとされています。世界ではもっと深刻にこれからますます水が不足することが予想されています。2030年までに、7億人もの人が、水不足で住む場所を追われるという予想もあります

砂漠地域や雨が降らない地域を世界地図で見てみると?

砂漠地域や半砂漠地域を表した世界地図です。

横線が引いてあるのですが、

赤い線が赤道

黄色の線が北回帰線と南回帰線です。

赤道は地球の真ん中にズバッと引いたということで分かりやすいかと思いますが「回帰線」とは地球が傾いて回る時に一番太陽に近くなるラインということです。

日本のある北半球だと地図の上のラインが「北回帰線」=夏至で、「南回帰線」=冬至となります。

下の図のように単純に太陽から遠くなるので冬があり、太陽から近くなるので夏がある。

と考えると単純ですよね!春と秋の入り口である春分の日と秋分の日は真ん中の赤道付近ということですね♪

南半球のオーストラリアなどは全く逆で北半球と比べると夏と冬が逆転します。

でもこれだけ聞くと、砂漠化や雨が降らない地域は北回帰線から南回帰線の間全てが砂漠や水不足になりそうじゃないですか??

イメージで言うとこんな感じ
でも実際はそんなことはなくこんな感じです

でも意外と真ん中の赤道付近は1年に2回も太陽が最も近い距離となるのに意外と砂漠化したり雨が降らない地域にはなりにくい。逆に北回帰線や南回帰線などの周辺はかなり砂漠化や水資源が少ない地域になりやすい・・・なぜでしょうか??

太陽が海を暖め、雲となり我慢できなくなり雨を降らす

雨を降らす水分はどこから来るでしょうか??

地球上で一番大きい水分の塊。それは海です。

地球の70%は海で構成されているらしいですよ!

赤道付近の熱帯地域と呼ばれるエリアは太陽が近い(暑い)ので海面が熱せられ、海の水分が蒸発し上昇気流を生みます。

温められた海面から雲と上昇気流が発生します。

水分をたくさん抱えた雲たちは温められて空気と水分を孕みながらどんどんと成長していき限界を迎えます。

暑くて湿気も多いけど雨もよく降る地域が熱帯地域ですね。

イメージとしてはあるのはスコールやジャングルのイメージでしょうか??

赤道付近の熱帯地域は、暑くそして湿った空気が多く蒸し暑いけど雨も降る地域ということになります。

上昇気流に乗せてたらふく膨らんだ雲は上空で雨として吐き出しながら、徐々に風と地球の自転の影響で北半球では右回りに、南半球では左回りに移動していきます。

水分が抜けきった温かい空気は、徐々に下降していき丁度地表近くでまた温められ舞い降りるところが「亜熱帯地域」となります。

ここでの大きな違いは、雨を降らせ「乾いてしまった暑い空気」に変化している点です。

乾いてスッキリしてしまってるので雨を降らせることもなくただ暑い空気となってしまいます。

これが赤道直下よりも北側と南側に位置する、北回帰線と南回帰線付近の砂漠地帯や雨が降らないエリアが生まれる理由です。

他にも山脈でぶつかって雨を降らしたり、大陸のど真ん中すぎて、そもそも湿った海からの空気が入ってこなかったり、他の理由で砂漠化や雨が降らない地域もあります。

世界の雨の日を分かりやすくすると・・・・

それを踏まえてこちらのグラフを見てみると、世界の砂漠化や水資源が乏しくなる国が予測できるようになります。

このグラフで言うと黄色の水玉があるエリアが雨が少ないエリアです。北回帰線周りの北部アフリカや中東一帯、また北回帰線回りであることと重なりヒマラヤ山脈で落とされ乾いた空気が流れ込む北京やウランバートルなど、アメリカ大陸の方でも北回帰線に重なる東海岸のロスやサンフランシスコは雨が少ないことが分かります。

南半球は大陸が少ないので目立ちずらいですが、アフリカ大陸南部のケープタウンやこのグラフにはありませんが、オーストラリア大陸の真ん中の「世界の中心で愛を叫ぶ」でお馴染みのエアーズロックのあるエリアも砂漠が広がっております。

まだまだ人口動態は増えていく見込みで30年〜40年後には世界の人口が100億人を超える試算もあり、飲み水や生活用水はもちろん、様々な産業の食肉の飼育や、洋服のコットンの生産のための水、など様々なものに水は影響していきます。

今後最も人口の伸びが著しいアフリカ大陸では砂漠地域が広がる中で、人口が大幅に増えながら同時に経済も発展していくことから水資源は大変貴重なものとなるかもしれませんね。

日本は水資源がすごく豊かな国

日本はとても水資源が豊かな国です。国の7割は森で水を貯蔵しやすい点だけでなく海に囲まれているので雨も潤沢に降り、とても災害こそ多いかもしれませんがとても恵まれた国土です。

ここで最後に「水を節約しましょう!!」と言うのは簡単です。

けれど洗濯で洋服が綺麗になるためにはしっかり濯ぎを行うことはとても重要なことです。

あまりMATINA(マティーナ)としては、水の少ないドラム式で1回濯ぎでOK!とはとても言いづらいです。それは洋服を本来綺麗にするのが目的とした洗濯の本質を失ってしまうことでもあります。

では環境問題や貴重な水資源について何も考えていないのかと言われるとそれは大きな誤解です。

水は先ほどお話した生活排水や飲料用だけでなく様々な産業でも使われているからです。

こちらの記事をぜひご覧頂きたいのですが、なんと1kgの綿花(コットン)を作るのに約1万リットルのお水が必要と言われています。

1kgというと分かりずらいのでシャツでいうと5枚分程度。バスタオルで言うと3枚ほどの枚数です。

対してお水約1万リットルはお風呂の浴槽50杯分程度です。

これがどれくらいと思うかは人それぞれではあると思います。

ただ物事は1方向からのみ盲信するとおかしな方向にいってしまいます。MATINAは皆様のお洗濯のお手伝いをさせて頂きながら、少しでもお気に入りのお洋服を長く使えるようにすることで環境負荷を抑え、良いものを永く使っていただける精神を広めていけたら嬉しいなあと思います。

ランドリーショップ MATINA(マティーナ)
福岡県久留米市本町3-9
営業時間/毎週水曜〜金曜 11:00〜16:00
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※日曜日・祝日は不定期営業

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ABOUTこの記事をかいた人

45年続くクリーニング卸売業の3代目。お客様であるプロのクリーニング屋さんに繊維や仕上げ方などを教わりながら、現在では洗浄技術などをプロのクリーニング店に提案するように。 より多くの方に身近な洗濯や洗剤、せっけんのことを知って暮らしを楽しんで欲しいとの想いから福岡に2017年からスタートした洗剤専門BUBBLEMAN STOREは、2022年に移転を機にブランドのフラッグシップショップ「Laundry shop MATINA(マティーナ)をオープン。 「洗い方」を伝えるランドリーブランド「MATINA(マティーナ)」はアパレルショップ、雑貨屋さんなどを中心に全国65店舗展開中。 アパレルショップの素材や洋服に合わせたメンテナンスの監修や、企業様に合わせたオリジナル洗濯洗剤の開発も行なっている。 販売店様では洗濯教室などの体験型のワークショップだったり直営店では毎週金曜日に手作り無添加石鹸教室なども行っています。