今日は少し変わりダネな内容で「ウェットスーツ」の洗い方を考えていきたいと思います!
まず、はじめに洗い方を考える時に「素材」「洋服のデザインやシルエット」「付着する汚れ」から因数分解して考えていきます。難しそうに感じる洗濯でも基礎を知っていけば応用するだけなので、洋服に限らず色んなことに応用できます◎
素材を知る
まずは素材から学んでいきます!
お恥ずかしながら、私もウェットスーツが何で出来ているか全然知りませんでした・・・!なんとなく気温が低くても着ていれば暖かい。とか、ある種の滑り止めになっていて様々なマリンスポーツの時にボードと体に繋がりを作る・・とかも考えましたが夏は着ていないことが多いような気がするので、あんまり関係ないかもしれません。
この辺は素材や製造しているデザイナーさんや生地屋さんに聞いて、アップデートしていきますのでよろしくお願いします笑。
大きく分けてウェットスーツとドライスーツの2種類が季節によって使い分けることが多いそう。中にはセミドライスーツなど間のものもあるようですが今回は省いて考えていきたいと思います。
ウェットスーツの特徴
スーツ内にも水が入り、水ごと体温で温めるイメージ。薄い水の膜を張ることで体の保温性を守る。けれど、サイズが大きすぎると水が流動してしまい(暖かくなった水も抜ける)ことで寒さを感じてしまう。良いものだと素材というよりサイズをオーダーし作ることが多い。
ドライスーツの特徴
ウェットスーツより高価で、スーツ内部には一切水が入らないスーツ(湿るくらいはあるそう)比較的ウェットスーツよりも動きやすく、中の服で調整するくらいゆったりめで着るので、着替えなども服を着た状態でも着用できるので寒くないのも大きいよう。寒い地域の方が使われることが多いようです。
ドライスーツやセミドライフルーツも近年、サーフィン用も開発され少しずつ増え始めているようです。
今回はウェットスーツの方が利用数も多く、マリンスポーツの中でも特にサーフィンなどはまだまだウェットスーツがメインのようなのでこちらから因数分解していきます◎
ウェットスーツの仕組み
少し写真を頂いて調べてみたところ
ウェットスーツは基本的に「ネオプレーン」という素材で出来ているそう。保温性や柔らかさ、体にフィットする柔軟性に優れた素材です。水分を含んでも十分な暖かさがあり、ウェットスーツ以外にも様々な用途で使われているようです。
ネオプレーン素材のみだとデザイン性や肌触りもあるので、裏地としてナイロン素材を使用していることが多いそう。表側もデザイン性も含めてナイロンやポリエステルを使って、両側からサンドイッチ状態で生地が作られることが多いそう。
上記の写真のように、毛足の長い中空糸がスーツ内の水を動かないように留まらせて、保温効果をキープする役割があります。
世の中のウェットスーツのお手入れ
皆様それぞれだと思うのですが、私の身の回りで「メンテンナンスどうしてるの?」と聞くと、このような答えでした。
- 普段は終わった後にシャワーや水で流して塩抜きする
- 紫外線には直接当てないように乾かす(硬化防止)
- 2〜3回に1度程度、柔軟剤に入れて濯ぐ
みんながみんな、このメンテナンスではないでしょうが聞いた中ではこのような人が多かったです。
聞いたところによると一番恐れているのは「経年劣化による硬化」つまり硬くなってしまうことで、破れたり、ピンホール(穴あき)ができるのが嫌なようでした。
確かにそんなにめちゃくちゃ汚れる訳ではないし、ゴシゴシ洗う必要がない。
→ つまり柔軟剤を使う
という感じなのかなぁと思いました。
サーフィンなどだと胸のところにパドリングした時のワックスはどう考えているのかが聞きたいところですが今回は経験者に聞かないとワックスをどう思ってるのか分からないので、端折ります。w
洗い方を考える
ここからはようやく洗い方を考えていきます!
①まずはサーフィンが終わった後の真水につける塩抜き。
これはもちろん、非常に大事できちんと塩水を抜くことで、ネオプレーンの素材劣化や、嫌な匂いを防ぐ効果もあります。
ちなみに洗濯でも同様のことが言えますが、塩水を落とすには「ただの真水」で十分落ちます。しっかりなるべくたくさんの水の量で濯いであげることが大事です。冷水でも問題はありませんが、ぬるま湯の方が塩抜きがしっかり出来るので、ぬるま湯を推奨してるところが多いようです。
②お家に帰って、さらにしっかり塩抜き
たくさん真水で濯ぎすぎて悪いことはまずありません。しっかり濯いであげましょう。理想を言うとお風呂いっぱいのぬるま湯などにつけて塩を出してあげることがベストです。
③柔軟剤はできるだけ使わない
洗濯洗剤の観点から言うと、ウェットスーツを「柔軟剤で洗う」のはおすすめはあまり出来ません・・・。それは柔軟剤がどのような原理で柔らかくするのかというところに理由があるのですが、
柔軟剤は生地の表面にわざと油の膜を残して、素材を柔らかくする効果を出します。この場合だと素材がナイロンやネオプレーンなので期待している「硬化防止」のにはあまり役に立たず、むしろ石油系界面活性剤の油の皮膜を残すことで、悪さをする可能性があります。※興味がある方は下へ
※多くのビニールやプラスチック製品には可塑剤と呼ばれる(エステル系)ビニールを柔らかくするための成分が入っていて、ネオプレーンも例外ではありませんでした。このエステル系の可塑剤は経年で劣化はしてしまう(スニーカーの白い部分が黄ばんだり、昔の車のヘッドライトが曇ってるのも同じ現象です!)ことに変わりはないのですが、カチオン系界面活性剤が生地に長い間滞留することで経年劣化のスピードを早くしてしまいます。
なので何回かに一度でも良い(そこまで汚れていないのでちゃんと塩抜きすれば毎回じゃなくても大丈夫)ので、きちんと洗ってあげて、硬化を効率的に防ぐ仕上げ剤で仕上げるのがオススメです。
MATINAの中で最も適しているのはこちら。
椿オイルで適度に加脂効果もあるので油分での柔軟効果を与えながら、ネオプレーン素材に必要以上のダメージを防ぎつつ、気になる匂いや汚れも落とします。
探してみると結構ウェットクリーニング用シャンプーも販売していて(こんなにあるとは思わなかった!)ざっと見ただけで詳しく比較できた訳ではありませんが、専用洗剤の中では成分表を見る限りではウェットスーツ素材のことを最も考えてあるのはこちらかなと思います。
肌刺激に要注意!
最後に注意いただきたいのが、肌が弱い方は柔軟剤は石油由来界面活性剤より肌刺激が強く、カチオン系界面活性剤と言って、普通の洗剤よりも繊維に残ろうとして濯いでも濯ぎきれないようになっています。
肌が弱い方、アレルギーの方、ウェットスーツを着たら痒みが出るかつ、柔軟剤で洗ってある方は濯ぎをしっかりウェットスーツで行うのも、洗濯機の脱水なども使いにくく生地折れやシルエットを崩さないために脱水難しいので、できれば使うのを控えた方が良いかもしれません。
まだまだ自分たちも勉強中なので、間違っている情報や、アドバイスなどありましたらまたSNSなどから教えてください♪お待ちしています!